お子さんがいじめの加害者になったり被害者になったりすると、親として辛いですよね?
そこで本日はいじめが起きる理由やいじめられる子の特徴、もしいじめが起きた時に親がすべき解決法をまとめます。
仮に今お子さんがいじめとは無縁であっても、この方法を頭に入れておけば安心です。いじめが起きたとしても、悪化する前に止めることができるからです。
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目次
なぜ小中学校で必ずいじめが起こるのか?
元教師である私が言うのもおかしな話ですが、いじめをなくすことはできません。なぜならいじめは人間心理に基づいて起こるものだからです。どれだけ優秀な教師であっても、必ずいじめは起こります。
ではどういった人間心理が関係しているのでしょうか?主に次の2つの心理がいじめが起きる原因です。
①自分がいじめられたくないからいじめる
一つ目の理由は、自分がいじめられないためにいじめるという心理です。これは世界情勢を見ると明らかです。
例えば北朝鮮やイスラム国のような国ができると、残りの国は一致団結することができます。※北朝鮮やイスラム国の行いが良い、悪いという議論はここでは無視します。
人間というのは、共通の敵ができると残りは仲良くなる生き物なのです。クラスで1人の嫌われ者ができると、残りの子たちが仲良くなれるのです。
私たち人間は、知らないうちにこの理論が遺伝子に組み込まれています。だから幼稚園の時からいじめが自然に起こるのです。
②自分と違う特徴がある人を排除する
人は自分と違う特徴がある人を排除しようという性質があります。これも過去の歴史を振り返ると明らかです。
アパルトヘイトという言葉をご存知でしょうか?過去に南アフリカ共和国で行われていた政策です。白人が、非白人(黒人やアジア人など)を差別した政策です。
人間は、ただ肌の色が違うという特徴だけで差別してしまう生き物なのです。※過去の政策が良かった悪かったという議論はここでは割愛します。
また過去に起きた戦争の多くも、黒人差別が原因で起きています。これが人間なのです。
100%防ぐことは難しいが、95%に下げることはできる
これら2つの人間心理がある限り、いじめを100%防ぐことは難しいです。その証拠に、大学生や社会人になってもいじめは起こります。老人ホームの中でも起こります。
私たちは人間として生まれてきた以上、一生いじめと付き合っていかないといけないのです。
「道山先生!いじめをなくすことは無理なんですか?じゃあうちの子をどう守ればよいのでしょうか?」とあなたは思われるかもしれません。
安心してください。100%防ぐことは難しいですが、95%防ぐことは可能です。これからお伝えすることを意識すれば、お子さんがいじめられる確率を極限まで下げることができます。
また仮にいじめを受けてしまったとしても、適切な対応をすればすぐに解決できます。すぐにできる予防と、起きた時にすべき対処法を理解しておくことが大事なのです。
親子関係で被害者or加害者or止める子になるかが決まる
学校のクラスで虐めが起こると、子どもたちは被害者、加害者、いじめを止める子、傍観者の4つに分かれます。あなたのお子さんはどのポジションに位置するでしょうか?
理想を言えばいじめを止める子になってほしいですよね?絶対に嫌なのは加害者や被害者になることですよね?
実は大阪市立大学の森田洋司先生という方が、以前こんな調査を行いました。
Q1いじめが起きた時、あなたはどういった行動をとりますか?
Q2あなたはあなたの親との関係をどう感じていますか?
という質問を子どもたちに行ったのです。その結果、驚きの結果が出ました。
いじめの加害者になる子の特徴と親子関係
いじめの加害者になる子や、いじめが起きた時そこに加わってしまう子の多くは、親との関係が良好でないと感じていました。つまり、親子関係が学校での人間関係や友達関係に大きく影響しているという結果が出たのです。
ではなぜ親子関係が悪いといじめの加害者になるのでしょうか?これは家庭でストレスを発散できていないからです。親子関係が悪いと学校で起きたストレスを家庭で発散できません。そのストレスを解消するために、誰かをいじめてしまうのです。
いじめを止められる子の特徴と親子関係
一方いじめを止められると答えた子の多くは、親との関係が非常に良好だと答えました。通常いじめを止めようとすると、今度はその子がいじめを受ける可能性があります。だから多くの子はいじめを止めようとしません。
しかし親子関係が良好な子は、もし自分がいじめの対象になってしまった場合親が守ってくれると感じます。だから勇気を出して止めることができるわけです。
また日ごろから親と会話をすることで、ストレスが解消できています。すると心に余裕ができるので、他の子を助ける気持ちも湧いてくるのだと思います。
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いじめられる子が持っている3つの特徴や性格
ではいじめを受けてしまう子にはどんな特徴があるのでしょうか?私自身次の3つの特徴を持っている子がいじめを受けやすいと感じています。
教師時代、こういった特徴がある子は特に注意して見るようにしていました。
①些細なことで傷ついてしまう子どもは要注意
ちょっと友達からいじられただけで、カッとなったり傷ついてしまう子です。いじめる立場からすると、こういった子は反応が大きいので「いじめていて楽しい」と感じます。
するとどんどんエスカレートしていくわけです。ただ、これは生まれつきの性格なのですぐに直すことができません。そこで、日頃からいじめを受けていないかを確認することが大事になります。
また学校の先生と連携して、子どもをも守ってあげることが大事になります。
②不潔な子は危険!軽い発達障害の可能性がある
2つめの特徴は不潔な子です。例えば爪が伸びていて、中に黒い垢がたまっている子や、髪の毛や眉毛がボサボサになっている子。歯を磨かず口臭が強い子や、人前でおならやげっぷを平気でしてしまう子です。
通常こういった特徴がある子は、軽い発達障害の可能性があります。ただ精神科で診てもらうレベルではありません。だから親としては見過ごしてしまいます。
しかし子どもは悪気があって不潔になっているのではありません。自分ではそれが他人からいじられる原因になっていると気づいていないのです。
こういった場合、親が子どもを治してあげることが大事になります。
③頭が良くて自慢しやすいタイプの子は要注意
最後の特徴は、自慢しやすいタイプの子です。こういった子は、いじめの加害者になりやすいヤンチャタイプの子の鼻につきます。だからいじめのターゲットになりやすいです。
意外かもしれませんが、誰かに自慢する子というのは自信がない子です。自信がないからこそ、テストの点数や持ち物などを自慢してしまいます。
のちほど詳しくお伝えしますが、無条件の愛で接していくことで、子どもは根拠のない自信を持つようになります。
親ができる!今すぐすべき3つの予防対処法
最初にお伝えしたように、いじめを100%防ぐことは難しいです。ただ95%防ぐことはできます。そのためにあなたにやっていただきたいのは次の3つです。
この3つを意識して子どもに接していけば、高確率でいじめられることを防ぐことができます。またお子さんがいじめの加害者になることも防ぐことができます。
①日ごろから子どもの話をしっかり聞く
日頃から子どもの話をしっかり聞くことで、学校での様子がわかります。何か変化があるとき、すぐに先生と連携を取ることができるため、状況が悪化する前に防ぐことができます。
いじめは「いじり」が悪化して起こることが多いです。こどもはいじりが悪化してくると様子が変わってきます。このタイミングで対応すればいじめに発展する前に防げます。
また子どもの話をしっかり聞くことで、学校でたまったストレスを解消することができます。その結果、加害者になることを防ぐことにもつながります。
②常に学校の先生と連携を取る
日頃から学校の先生と連携を取ることは、いじめを防ぐうえで非常に大事です。先生にお子さんの特徴を伝えておくことで、先生も注意して目を向けてくれるようになります。
もし軽い発達障害の可能性があるなら、先生からも注意してもらうようにしましょう。あなたが気づいていないことで、いじめのきっかけになる行動をしていることがあるからです。
また何か起きた時、すぐに連絡してもらえるようにお願いしておくことも大事です。
③信頼できる親子関係を作る
最後は日ごろからお伝えしている信頼できる親子関係を作るということです。強固な親子関係ができていれば、子どもは何かあったときすぐにあなたに相談します。
ちょっとした友達関係の変化や学校で起きた出来事なども定期的に話してくれるようになります。そういった会話の中から、いじめに発展する可能性があるかどうかを確認できます。
子どもの中ではそれがいじめにつながると理解していないくても、大人目線で見ると「そのまま悪化するとまずいよね?」と思うことはたくさんあります。
そういった出来事を早い段階で先生に相談できれば、いじめを防ぐことができます。あなた自身のお子さんを守ることにもつながりますし、お子さんのクラスで起こりそうないじめ全般を防ぐことにもつながります。
もしいじめが起きた時最速で解決する方法
万が一いじめが起きてしまったら、以下のステップで対応をしていきましょう。2018年現在では、これが一番最速で解決する方法です。
私が教師という立場であれば、このステップで親が動いてくれると本当にありがたいです。先生に気を遣うことはありません。子どもを守ることが最優先です。
ステップ1 学校の先生に連絡をして直接話し合いを行う
いじめが起きた時、最初にすべきは学校に行って直接先生から話を聞くことです。先生に迷惑かも?とためらう必要はありません。子どもを守るのが親の義務だからです。
電話だけで済ますのは絶対にダメです。できれば夫婦で学校に行き、先生を交えて話し合いを行ってください。
- 何がきっかけでいじめが起きたのか?
- 子どもの認識と先生の認識に誤解はないか?
- 加害者は何人いるのか?
- いつからいじめが起きているのか?
ステップ2 加害者の親を呼んで約束させる
次にすべきことは、加害者の親を呼んで二度とやらないと約束させることです。加害者と言っても、相手は子どもです。子どもは親が大好きです。大好きな親を悲しませるようなことはしたくありません。
親の前で「二度とやりません」と約束をさせてください。そこまでしないと、いじめは止められません。できれば、
- 次に同じことが起きたら被害届を出す
- 先生が子どもを守れないなら、私が学校に行って授業中ずっと子どもを見る覚悟がある
ステップ3 二度と起こらないように子育てを見直す
上で述べた予防対処法がしっかりできているのに、いじめが起きてしまったのなら仕方がありません。最初にお伝えしたように、いじめを100%防ぐことは難しいからです。
今回いじめが悪化する前に止められたなら、親としては完璧な対応ができています。しかし、上の3つができていなかったなら、次回同じ失敗が起こらないようにすることが大事です。
できていないかった部分を確認し、今すぐ実践していきましょう。また不潔ということが原因でいじめを受けてしまったなら、少しずつ治してあげることも大事です。
いじめを防ぐうえで最も大事なこと
いじめは100%加害者が悪いです。どんな理由であってもこれは間違いありません。ただ予め対処するだけで予防できることがあるなら、それをしておいても損はありません。
もし今できていないことがあるなら、今すぐ実践してください。手遅れになってからでは遅いです。
なおいじめを予防するうえで最も重要な「信頼できる親子関係を作る」時、是非参考にしていただきたいものがあります。私が現在無料で配信している「思春期の子育て講座」です。
こちらを読んでいただくと、いじめの被害者や加害者になる可能性を大きく下げることができます。過去に2万人以上の思春期の子どもがいるお父様お母様に読んでいただいた講座です。
よかったら参考にしていただけると幸いです。
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※受講者全員にプレゼントしている「子どもの問題行動解決マニュアル」の5章でもいじめの解決策をお伝えしています。今回の記事とは少し違った視点からの解決法をまとめているので参考になると思います。
本日も最後まで読んでいただきありがとうございました。
思春期の子育てアドバイザー道山ケイ
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