「子どもが朝起きない」
「起立性調節障害の治し方を知りたい」
と悩んでいませんか?最近、朝起きられない小中学生が増えています。もしかしたら、起立性調節障害の可能性があります。
そこで、元中学校教師で現在は年間3000組の親子の子育てをサポートしている道山ケイが、起立性調節障害の症状や親にできるサポート法をまとめました。
薬を使った医学的な治し方ではなく、子どもへの接し方を工夫することでできる改善方法をまとめたので、病院に行く前に実践していただければと思います。
目次
起きるとフラフラするのが起立性調節障害の特徴
起立性調節障害とはどんな障害なのでしょうか。起立性調節障害は「障害」とついているので、発達障害の一種に感じるかもしれません。しかし、発達障害や知的障害などとは異なります。
基本的な症状は、「朝、起きようと思っても起きられない」ことです。血圧が低い状態が続き、朝起きようと思ってもフラフラしたり、頭痛があったりしてなかなか起きられないという状態です。
その結果、起きるまでに30分以上かかる子、午前中ずっと調子が悪いという子など、人によって症状は様々です。
お子さんが朝起きた瞬間調子が悪く、学校に行けないレベルなら、起立性調節障害の可能性があります。この記事を参考に、対策を進めていくと良いです。
原因は「ホルモンバランスの崩れ」と「ストレス」
起立性調節障害の原因は、「ホルモンバランスの崩れ」と「ストレス」の2つに分かれます。
思春期の子どもは、ホルモンバランスが崩れやすい
思春期は、ホルモンバランスが崩れやすい時期です。その証拠に、思春期の子はイライラしやすかったり、キレやすかったり、ニキビが出来やすかったりします。
これはホルモンバランスが崩れているのが原因です。子供から大人に変わる時期なので、ホルモンが変化するため、体調を崩しやすくなるのです。
起立性調節障害も同じで、ホルモンバランスが崩れる時に血圧も下がり、朝起きられなくなるのです。
ストレスも抱えやすい時期
また、毎日学校に通っているため、ストレスを抱えやすいです。友達や先生との関係でトラブルが起こったり、受験やテストなどの不安があったりするからです。
学校に通うことで生じるストレスは、ある意味仕方のないことですが、これに加え親子関係が悪いことが原因で家庭でもストレスを抱えるのは危険です。
学校でも家でもずっとストレスを抱えている状態になるので、生きているだけで心のエネルギーがなくなっていきます。すると、朝起きられなくなります。
このように起立性調節障害の原因は、ホルモンバランスの崩れとストレスが原因であることが多いです。もちろん、細かいことを言うと、これら2つ以外にも原因はいろいろあります。
ただ、私が今までたくさんの子ども達をサポートしてきた経験から言うと、ホルモンバランスの崩れやすい思春期の時期に、学校や家庭のストレスが重なると、起立性調節障害になる子が非常に多いです。
上記の2つが重なったタイミングで起立性調節障害になりやすいというのが、私なりの結論です。
家庭でのストレスをなくすのが、解決への最初のステップ
起立性調節障害をどのように治していけば良いのでしょうか。私自身は医者ではありませんので、薬物的な方法で治すサポートは行っておりません。
私がこれまでに行ってきたアプローチ法は、「子育ての方法を変えて、家庭でのストレスをなくす」という方法です。
その結果、朝起きられずに学校に行けなかった子が、数え切れないほど朝起きられるようになっています。
現在、お子さんが同じような悩みを持っていたとしても、これからお伝えする方法を実践していけば、きちんと朝起きられるようになるはずです。
ステップ1 家庭での子どものストレスをなくそう
最初のステップは、とにかく子どものストレスをなくすことです。
前述したように、思春期の子どもは学校でかなりストレスを感じています。それに加えて、家でもストレスを感じるとどうなるでしょうか。
例えば、親から頻繁に勉強しなさいと言われたり、暴力をふるわれたりすると、子どもが酷いストレスを感じます。すると、起立性調節障害になり、朝起きられなくなってしまうのです。
そこで、家にいる時は、ストレスがほぼない状態にしてあげることが、解決への最初のステップになります。
学校でのストレスはなかなかコントロールできません。しかし、自宅でのストレスは子育ての仕方で調整できます。まずは、親の力で調整できるところから、進めていきましょう。
ステップ2 無理に学校に行かせないようにする
例えば、今お子さんは学校に行けていないとします。この時に「早く起きて学校に行きなさい」と言うと、子どもはストレスを感じます。
そこで、「無理して行かなくて良いよ」「今日はお父さんお母さんと家でゆっくりしようね」と話すようにしましょう。頑張って学校に行く必要がないと分かれば、子どもはストレスを感じなくなります。
また、お子さんは、朝起きられないことによって勉強が進んでいないとします。ここで、「勉強しなさい」と言うと、子どもはストレスを感じます。
そうではなく、「今は色々大変だから、無理して勉強しなくて良いよ」「その分、お父さんお母さんとゆっくりしようね」と言えば、子どもはストレスを感じなくなります。
このように家庭でのストレスを無くしていけば、少しずつ起立性調節障害の症状も治まってきます。その結果、いずれ学校にも行けるようになります。
病院と連携して、薬物療法を行うものアリ
起立性調節障害は、子育ての方法を変えるだけで改善するケースがほとんどです。私が今までサポートしてきた方の中には、家庭でのストレスを無くしただけで、起立性調節障害が良くなった方がたくさんいます。
ただ、あまりにひどい状態だと、薬による治療も検討すると良いです。その場合、まずは小児科医に行きましょう。先生に症状を話し、その子に合った薬を処方してもらいましょう。
有名なものは、「メトリジン」や「リズミック」などです。こういった血圧を上げる薬を処方してもらうと、多少良くなる子もいます。
私は過去に、児童精神科医の佐々木正美先生に起立性調節障害の薬物治療について意見を求めたことがあります。佐々木先生は、「多少であれば、薬を使う事で症状が良くなることもあるので、私も処方しています」と話していました。
1~2ヶ月接し方を変えても治らなかったら、小児科医へ相談してみることも大事だと思います。
中学生で薬に頼り過ぎるのは危険
一つだけ勘違いされないでいただきたいのが「薬に頼れば改善するものではない」ということです。
佐々木先生も、「薬はあくまで気休め程度にしかならない」と言っていました。一番大事なのは、子育てのやり方を変えて、ストレスをなくしてくいくことです。
家庭でのストレスがなくなった状態で、少しだけ薬を利用すると症状が良くなるだけで、薬の力で治っているわけではありません。この点は、勘違いされないようにしてください。
あと、薬にはいろいろな副作用もあるので、使いすぎも良くないです。そのあたりは、小児科の先生に相談するようにしましょう。
【おすすめ】授業中眠くならない方法と不登校解決法
ここまでに、起立性調節障害の症状や治し方をまとめてきました。この方法で、進めていけば、早ければ1か月、おそくとも3か月以内には、起立性調節障害の症状が治まるかと思います。
ただ、症状が改善されても、すぐに本調子になるわけではありません。最初は、授業を受けるだけでも精いっぱいだと思います。中には、授業中寝てしまう子もいると思います。
そんなときは、次のページでまとめた方法で対策を進めてみてください。きちんと授業を受けられるようになるはずです。
>>元教師が解説!授業中眠くならない方法解説ページ
また、起立性調節障害が治り、朝起きられるようになっても、学校に行けない子もいます。この場合、不登校解決はまた別に行っていくことが大事です。
次のページでは、不登校の原因と解決法についてまとめたので、参考にしていただければ幸いです。
>>元教師が解説!不登校の原因と解決法解説ページ
家庭でのストレスが軽減する!思春期の子育て講座
私は現在、思春期の子どもを持つお父様お母様向けに、子どもが喜ぶ子育て法をお伝えする勉強会を定期的に開催しています。
ただ、東京や大阪などの都心で開催することが多いため、どうしても地方の方は参加できません。そこで現在、子どもが喜ぶ思春期の子育て法をまとめて解説する無料講座を配信しています。
こちらの講座を読んでいただくと、家庭で子どものストレスを解消する方法がいろいろわかると思います。その結果、短期間で起立性調節障害も改善できるようになると思います。よかったら、こちらも参考にしていただければ幸いです。
なお、現在3980円で販売していた「子どもの問題行動解決マニュアル」も受講特典としてプレゼントしています。よかったら、こちらも参考にしていただければ幸いです。
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本日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
思春期の子育てアドバイザー道山ケイ
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